葉牡丹

葉牡丹

正月に、父親の実家に行ったとき、いつも祖父がくれていた葉牡丹。
小さな頃、この和風の植物があまり好きではなかった。
特別な派手さもなく、キャベツみたいなくせに食べられないし、そのうちに伸びてきて、枯れてしまう。
なんだか、そんな葉牡丹があまり好きではなかった。



それなのに今年、父親の実家の祖母から葉牡丹を自分から貰って帰ってきた自分がいる。
祖父は一昨年に亡くなっていて、今年も葉牡丹があったのだ、と思いながら。
なんで、それを貰ったのだろうか。
なんでなんだろうと思う。
何か、自分がそうしないと、何かが崩れてしまいそうな気がするからだろうか
今まで築かれていた、何でもない形がとても大切なものの様に感じる



家族とか、親とか、親戚とか、そういうものについてよく考えるようになったのは結婚してからの事で・・・
多分、まだまだ気づいていない大切な事が、今の生活の中には溢れているのだと思う。
鈍感な自分が、いつか、出来るだけ早く、出来れば失う前に、それに気づけますようにと、ふと思うのである。
嘘じゃなくて