月下の夜想曲

夜の帳の中へ

カーブミラーが寒そうにしていたのは、雪の積もった冬のある日の事。そんな夜の帳、凍てつくような寒さの夜にしかない気分も好きなのだけれど、夜になっても寒くならない季節になると、何かとっても嬉しい気持ちを感じたりする。夕暮れ過ぎて暗くなった空に浮かぶ、ぶあつい雲が、沈んでしまった夕暮れをほのかにお腹にオレンジを照らす感じがたまらなく好きなのさ。そして、それを飲み込んだ夜の空に浮かぶ雲が、背中に照らす青白い光も同じくらい好きなのさ。