受け売りの知識

性欲、残酷、陶酔
どこで聞いたのか忘れたが、ニーチェの言葉らしい。生きることを表す言葉。幸せを追求することを表す言葉。とだけ、ぼくは聞いて、知っている。深い意味は知らない。だから自分で勝手に解釈している。もしかしたら、間違っているかもしれない。それでもいい。ぼくはこの言葉が好きだから。
性欲を満たし、残酷に誰かに勝ち、なにかの気持ちよさに陶酔する。そうやって人が本能的に自分の幸せを追求するとき、人は必ず誰かを傷つける。けれども、普通人は社会的な存在であるべきであり、良心を持ち、善悪を知っているはずである。だから、それらを自分が踏みにじるとき、人は後悔もするし、不幸せな気持ちにもなる。でも、根本では、性欲、残酷、陶酔を求めている。それでも、やっぱり、それらを求め続けても本当の幸せにはたどり着けないことも同時に人は知っている。その人に良心があって、人の気持ちを少しでも考えられるなら。そして、本当に性欲残酷陶酔と言うことを満たそうとするとき、おそらく人は孤独に陥る。普通、人は完璧な孤独を嫌う。いつまでも続くひとりぼっちは、普通は怖いものだから。

つまり、人間は根本的に矛盾している。だから僕は矛盾している。いろいろなことを考えられるから矛盾している。カマキリのメスは交尾しながら、産卵の栄養になるようオスを食うこともある。性欲残酷陶酔。そこにはなんの矛盾も無い。でも、人はそんなに一直線じゃない。そして、煩悩は尽きないと思う。多分、それが人の本質だとしか今は思えないから。本能は爆弾。エゴ。それも、どこかで聴いた言葉。



独りは嫌だ。お金は欲しい。愛されたい。慕われたい。出世したい。勝ちたい。特に、嫌いな奴、気に入らない奴には絶対勝ちたい。傷つきたくない。のんびりしたい。楽をして得した気分でいたい。努力できる自分でいたい。成果が欲しい。成長したい。めちゃくちゃに打ちのめしてやりたい。社会的地位が欲しい。認められたい。幸せだと感じていたい。自由にして欲しい。でも見ていて欲しい。自分と同格に感じられる人と一緒にいたい。強い自分でいたい。守りたい。でも、壊したい。誰も傷つけたくない。自分が一番傷つくから。自分をうまく表現したい。でも後悔なんかしたくない。恥ずかしい思いはしたくない。でもなんか行動に出さないと、出さないと、出さないと・・・ぼくはここにいるから。生きていることを証明しないと。誰もやったことの無いやり方で。つまらない人間になりたくない。でもそれほど自分が特別だとも思わない。満たされたい。
そんなことは今まで一度も考えたことも無い。



・・・・・・・こんな事書いていたら、真っ白なバニラが食べたくなってきた。アイスクリームが溶けるのは熱いトタン屋根の上なのか、アスファルトの上で溶けてシミになって、明日になれば何もなかったように全部乾いてしまうのか・・・これも、どこかで聴いたような言葉。