今日の日はさようなら

嘉門達夫。小学生の頃、彼の「バルセロナ」と言うアルバムを聞いて、こんなにおもろい人がいるのかと素直に思ったものだ。
「小便小僧の独り言ーーーーーーーーーー・・・・・ああ、うんこがしたい」
なんていわれたら小学生なんて、ひとたまりも無いのである。他にも小市民シリーズや、「NIPPONのサザエさん」、だれもが知ってるハンバーガーショップの歌。鼻から牛乳。など、当時彼が社会に与えた影響は大きい(と、小生は思う)。小学生だった当時、レンタルでこの人のCDを結構借りてた記憶がある。
中でも印象深いのが、「チョコくれ!」と言う歌である。少年期に男が抱えるバレンタインデーと言う忌まわしい日の悩みを吐き出した歌である。少年の心を忘れない彼の歌声は、ブルーハーツのように小生の心を打ち抜いていたのである。この唄はマイナーな部類に入り、知ってる人は少ないのだが。(どうでもいいが、小生が中学生の時、この歌を校内放送でお昼の時間に流したような記憶がある)「♪用もないのに、放課後まで残って、帰る背中が泣いている」こんなにいい歌詞があるだろうか・・・

小生としては、バレンタインデーと言うものは、小、中学生の頃は一年の総決算的な学年末の行事だった気がする。意味も無く、ドキドキして平常心を保ちながら過ごしたものだ。
それが大学生ともなると、自分の下駄箱は無いし、カバン置き場も無い。誰も小生の自転車を置いた位置を把握していなければ、小生がどこの教室にいるかも不明確である。なんてつまらない事だろうか。ドキドキする瞬間が無い。何よりも、こんな日に本命のチョコを「ホの字の男」にまじめに渡そうと言う女が居なくなるのである。そして結局、クリスマスと同じように、カップルだけが楽しく過ごす日になったりするのである。それがいけないとは言わない。しかし、あの、ちょっとしたお祭り的な日が一年のうちから消えてしまうのは、少し寂しいような気がするのだ。
今から考えると、あれは少年期の水面下の恋愛関係という下地があってこそのバレンタインデーだったのかとも思う。結局、「両思いか片思い」とか言う事が、「付き合ってるのか付き合ってないのか」という事になっていると言う事なのだろうか。幼い頃の思いでは、ああ、幼かったなと思えれば思えるほど面白いものだと思う。そんな日の象徴のひとつにこの日はあったのだな、としみじみとしてみるのである。

蛇足になるが、小生は類まれなる甘党だと言う事を付け加えておこう。