国境線を越えて

ケニアとエチオピアの国境

何もかもが愛おしいと思うほどでもないのだけれど、やっぱり捨てきれないこの国。けれど国境線を越えないと何も変わらないから、その向こうを目指す感じ。ここには無い何かがあると思って目指した国境線の向こう側。
そんな感じ。今の僕の毎日は、それほどでも無いような気もするのだけれど、毎日の日付が変わっていくことが劇的なことに思えるのはいつも同じ。昨日に似た今日の始まりは、昨日へは戻れない絶対的な線を挟んだ異国の世界。毎日の中にそんな気楽な緊張感を持ち込んでる。そんな日常を毎日過ごす。そんな旅が好きだった。
今も人生は旅みたいなものだけど、それは時々孤独だったり、誰かと一緒だったり。そして、時々は道草をさせて欲しいなんて思う。そういう感じも捨てられやしないから。この道を大事に思っていないわけなんて無いのだけれど、まっすぐにだけ歩くことは、今の僕には出来ないから。少しだけ、あの道を走らせて欲しい鉄の塊にまたがって、深い意味なんて無い気持ち良さを感じていたい。