私の嫌いなあたしの現実

小学校を卒業する時の文集に、将来の夢だったか大人になったらなりたいものだったかの所に「ヴァンパイア」と書いて先生に書きなおしをさせられた記憶がある。それは、多分真面目に書いたと思う。僕は真面目に、普通の大人になんかなりたくないと思っていたから。結局、適当に「ノーベル賞をとる」だかなんだかそんな事を書いて出し直した。それはただ大人が喜びそうなことを書いただけだろう。僕にとって、それは魅力的な大人でもなんでもない。そんな他人は尊敬もするけれど、僕はそんなモノは求めていない。
その時、僕は自分だけが特別な存在になれればいいと思っていたに違いない。努力して報われるものや、天才的なものだとか、そんなものではない何か絶対的なもの。
しかしながら、そんな事をずっと考えながらも、僕がごくごくごく普通に生きてしまっているという今までの結果は、主観的にも客観的にも明らかだ。どうしてくれようというわけでもない。それだけの事しかしてこなかったし、出来なかった自分の否を認めざるをえない。
ヒトはみんな特別な存在だと言うのなら。それは、みんなおなじって事。それがつまんない気がするのは気のせいだろうか。みんなが同じで、自分だけ違うのならそんなに素晴らしい事は無いじゃない。それに、真似だけじゃつまらないよ。
よくよく考えれば、君は特別な人間である気もするし、僕が特別な人間である気もする。けれど、そこに何かしらの物足りなさを最近また感じていたりする。なんとなくね。そう、なんとなく。