それも春だったね

頭炭酸

右から見た自分が好きだから、いつも左側を歩く。
そんなどこかで聞いたような事を思いながら、僕の髪の毛は右を向いて立っている。久々のワックスにまみれながら。自分がここまでどうやって生きてきたのかが思い出せないけれど、それは恥じるべき道ではないと自負してみる。恥すべき事が無かった道だとはとてもとても思えないのだけれど。ねえ、あなたにとって今の私、ただの通りすがり?そんな気分で、電車に乗る。そのこと自体は高校の時とほとんど変わらない。ただ、そこにいた友達は今は別々のところで別々の事をして生きている。
そうそう、中学生の時の懐かしい友達に地下鉄の駅で偶然会ったよ。それはとてもいい事。久しぶりに会っても当たり前に会話が出来るのは素晴らしい事。新しい友達と同じくらい、古い友達は大切なもの。懐かしい友達から突然メールをもらう時と同じ。時々僕は振り返る。今いる人の昔の事。anatanokotogasukidesita.
古い友達から新しい友達まで、片っ端からあってしゃべりたいようなそんな気分。別に、人生がつまらないわけじゃないさ。けれど、僕の両手はシザーハンズ。優しくなれる気がしない。本当はこんなに優しいのだけれど、君の両手はシザーハンズヤマアラシのジレンマ。なんとなく思い出した言葉。今の自分は、絶対じゃない。絶対じゃない奴が生きている。それだけの事。
満員電車の中くたびれた顔して、夕刊フジを読みながら。どんなに君が特別でも、君以外の人間はそれに気付かない。それは特別な事でもなんでもないよ。なんでもない。人間だもの。それでも、僕の人生は順調です。頭の中に、色んなものが湧いているだけ。それは、チョコレート工場の中みたいなもの。別に大した事じゃない。いつもの事。いつもの事。いつもの事。